男たちの熱気で沸き返るけんかだんじりから一週間後、興奮の余韻覚めやらぬ勝山の保存地区を訪ねた。
高く抜ける秋空の下、力強いロックソーランのビートが鳴り響く。ちょうどこの日、町は、
恒例のもみじまつりの真っ最中。あでやかな衣装を身につけた踊り連が、鳴子を打ち鳴らし街道を練り歩く。
道沿いはカメラを持った多くの見物客であふれ返っていた。
町の無料休憩所『顆山亭』をのぞいてみると、今年も応援する会の男たちが蕎麦づくりに励んでいた。
いつものごとく和気あいあいとなにやら愉しげ。他愛もない冗談を交わしながら、町の「おじさん連中」がそれぞれの
担当に分かれ、こねたり、伸したり、切ったりをこなしている。
これは「蕎麦打ち」と称し、応援する会が、毎年住民や観光客へのもてなしと資金作りを兼ねて行っている
活動のひとつ。今年でもう10年目を数える。
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